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ビルバオ の記憶 ランチ編

ビルバオ。空が青くて建物の見え方もクリスピィ。ゆえに記憶も、そんな感じ。

そんな記憶がビビッドなうちに書き終えておこうと思う。

先週はオランダに居て、写真のアップロードが若干難しかった。

ビルバオは、オランダ、アムステルダム近郊のスキポール空港から2時間。

スキポール空港は世界に冠たるハブ空港なので、ここからヨーロッパの若干マイナーな空港も行きやすい。なので、プロバンスとか、スコットランドとかも

スキポール経由の移動が考えられるのだ。…で

ビルバオの空港から、グッゲンハイム美術館までは、タクシーで15分ほど。

ホテルは迷わず。ここ。美術館のためにできたような。

ホテルも美術館の真ん前なので、無駄なく動ける算段で。

予約は、グッゲンハイムビュースイートにしてみたけれども、

滞在24時間内に行きたい場所がいろいろあり、あまり部屋にいられなかった。

むしろ、部屋が広すぎてあっちの部屋こっちの部屋と動線が広がりすぎて

無駄が出た気がする。しかし、こうした経験を仕事に活かそうとする。

気持ちがよかったのは、最上階のテラス。

ランチも、アフタヌーンドリンクも、そして、ディナーもあり。しかし、

今回の予定では、最初の夜は、旧市街まで歩いてお出かけ、ピンチョスを。

(それは、長くなるので次回に)

朝食はこのテラスが人気の場所。オランダでは、7時ころから朝食が当たり前でしたが

さすが夜の遅いスペインでは、私が朝8:30にここへきたとき、誰もいませんでした。

フルーツと生ハムで。ここで2時間ほどゆったりとすごして、、美術館へgo!

そして、ランチは、グッゲンハイム美術館のなかにあるレストラン。

ネルア。ホテルで予約をしてもらいましたが、すでに満席の知らせで若干手こずりつつ

そりゃあそうだ。その日のうちにミシェラン三つ星付きチェフのいるレストランの予約が取れるわけない。

でも、飛行機に乗る前の時間に間に合うよう、ブック完了。やはり、ホテルからの予約で正解。

お店に行くとすぐにオープンキッチンへ。

キッチンの説明を受けながらアペリティフを。

そこへ、スペイン料理界のミシェランの若きスターシェフのホセアン・アリハ(Josean Alija)氏が気さくに登場。私は、すっかり舞い上がっておばちゃん顔だ!

スペインのカヴァですが、これまたアップグレードな味わい。

基本はバスク料理だといいますが、このトマトのなかに複雑なスパイスクリームが入っていて噛むとプチっとはじけます。

「くれぐれもひとくちで食べてくださいね!」と、言われた理由がわかる。

大好物のラム肉。

デザートのあと。おや!「このカップは、1945年に広島で割れました」

と書いてある。エスプレッソカップだけ。

カプチーノはこれ。これもかわいい。

エスプレッソの皿の裏を見たら、なるほど。さすがでございます。

ビルバオ。この光。パリやアムステルダムからひとっ飛び。

おすすめです。

オランダの光

ミセス誌で訪ねたオランダの旅「オランダの光を探して」では、オランダ政府観光局のご協力を得ながら、オランダのアートを中心に、オランダを独特の視点で見つめる取材をしました。

そのとき、私が特に取り上げたかったのが、オランダの光でした。2003年に制作されたドキュメンタリー映画「オランダの光」にも影響されていたし、なにしろフェルメールにレンブラントを輩出した国。

いくつかの視点があるのですが、そのなかの私の書かせていただいた拙いエッセイを、今回は掲載させていただく。

常に観光(光を観る旅)や「光景」を探し続けてきた私ですが、この考え方を持ってオランダを旅しないと、やはり、もったいないかなと思ったからでありました。

「レンブラントの光に惹かれて」

 光(自然光)への興味は尽きない。東京の自宅で、旅先で。たとえば、日本の光は西へ行くほど暖色になり、関西では赤が映え、東北へ行くほど寒色になり北海道では青が冴える。さらに遠く離れた海外では一層の違いがあり、異なる光を見いだす観光(光の観賞)旅行は、永遠に魅力的だ。

 オランダはヨーロッパの北寄りにあり、寒色の光には透明感も加わる。が、それだけではない。たとえばアムステルダムは運河の街で、街中に水面が多い。特に空が明るい日、一旦、天から降りる光が運河の水面に反射し2重の光源を生み、それが文字通りの美しい「光景」となる。光の画家といわれるフェルメールもレンブラントも、そんなオランダの光のもとで生まれた画家たちなのだ。

 観光旅行では飽き足らず、移住を決めた私たち夫婦が住んだのはイギリスだったが、ロンドンに住み最初の数年は古典絵画技法のスタジオに通い、中世以降の西欧古典絵画を模写で学んでいた。未来に残る作品とはどういうことか、その秘密を知りたかったからだ。

 そんな折にロンドンでレンブラントの作品と出合った。愛妻サスキアを描いた「アルカディアンコスチュームをまとったサスキア(別名フローラ)」だ。ナショナル・ギャラリーの有名なレンブラント・ルームに展示されていた。そこで、キアロスクーロといわれる自然光線の効果を用いたレンブラント作品に魅了された。いわゆるレンブラント・ライトといわれる、斜め上45度の角度から射す光で描かれた作品である。

 私の模写は、描き始めてから3ヶ月ほどで完成したが、その間、キャンバス地も油彩の油も顔料も、すべては17世紀と同じレシピで制作する。模写自体は、美術館のオリジナルや複写印刷物を見ての制作となるが、作品を描く想像の心はこの絵の描かれた1635年当時のレンブラントのアトリエを探っていた。

 この絵が描かれた空間と時間に射している光、明暗のコントラストは超現実的に美しいが、この眺めは実際に存在したはずだ。新婚まもないサスキアが、花の女神の衣装を着けやわらかな微笑みをたたえている。

 さて、模写から十年以上の歳月が経った今年、なんと現実に、私がレンブラントのアトリエに佇むことがになった! 静かなロンドンの家に住んでいた日々、のめり込むように想像していた17世紀の世界が、今まさに現実となってここにある。現実が想像とあまりにも似ていたので、正夢を見たような気持ちになった。レンブラント・ライト。高い窓から差し込むオランダの光と、高い天井ゆえに光が大きく回り込むマジックライトの空間。それはオランダの風光と、画家の選んだ光の質が生み出した世界だ。

 それにしても…、レンブラント大先生の画室にヘタな自作を持ち込んでの撮影など、不遜極まりない態度の私をどうか皆様お許し願いたい。


まったくほんとうだ。不遜極まりない。しかし、常に思う。マネは学び。学びに来ました。学びます。という気持ちが謙虚であれば….?